履歴書とは「企画書」です。企業側が求めていることを察知し、それに応じて、あなたのリソースをプレゼンすること。これが、他人よりも評価される履歴書を作る思考法です。

 

もちろん、嘘を書くわけではありませんし、キャリアのある人の方が優位なのも事実です。しかし、同じ内容でも、書き方ひとつで印象を劇的に変えることは可能です。

 

他人と差をつける履歴書の書き方9ステップと、より理解を深めるための例文集を紹介します。

 

他人と差をつける履歴書の書き方9ステップ

ブレインダンプで「自分の強み」を視覚化する

memo

 

ほとんどの人は、いきなり履歴書を書きます。しかし、この方法では手が止まり、魅力的な履歴書を作ることはできません。

 

まずは、脳内の情報を視覚化し、整理することがポイントです。

 

自分の脳に、以下のような質問を投げかけ、脳が出した回答を、全てメモしましょう。

 

・仕事で成し遂げたことは?
・仕事で関わったプロジェクトは?
・会社や上司に評価されたこと&受賞歴は?
・他人から良く聞かれること&教えてあげることは?
・他人から褒められた&喜ばれた&頼まれたことは?
・あなたが最も時間を費やして取り組んでいることは?
・今までの人生で結果が出たこと&評価されたことは?

 

家族や友人にも手伝ってもらうことで、自分では気づかなかった強みに気づけます。自分の強みは、自分にとっては当たり前のことが多く、無自覚な傾向にあるためです。

 

なお、書き出している段階で、その強みが「使える」か「使えない」は選別してはいけません。まずは何でも良いから書き出すことが重要です。

 

使えるものと使えないものが混在している方が、あなたが企業にPRすべき「本当の強み」が際立ち、企業に突き刺さるスマートな履歴書が作成できます。

 

また、後述しますが、あなたの強みは表現の仕方ひとつで、魅力的なものに加工することが可能です。書き出している段階で判断すべきではありません。

入社したい企業をリサーチする

企業研究

 

あなたと企業がマッチングするには、その企業がどんな現状にあり、どのような課題を抱え、今後どのような戦略によって成長しようと考えているのか、知ることが必須です。

 

これを知ることで、あなたの強みをどのように伝え、企業に貢献できるかを、履歴書に明示することができます。

 

もちろん、多くの人は、企業のサイトやパンフレット、関係者の声を聞くなど、企業研究に努めているでしょう。しかし、これらの多くは「就活者に向けた情報」であり、大まかなリサーチには有効ですが「綺麗ごとの情報」が多い傾向にあります。

 

企業に突き刺さる履歴書を作るためには、やはり「企業の本音」を知ること。そこで、活用してほしいのが「企業のIR情報」です。

 

IR情報とは、投資家向けに開示されているもので、透明性のある企業情報と言えます。経営環境、市場環境、業績、今後の具体的な戦略や対策などの「本音」が公開されています。(IR情報は、各企業のサイトで、ほとんどの場合は開示されています)

 

IR情報から、企業が抱えている「痛み」を把握し、それを解決する人材であることを、履歴書で提案する。この視点で履歴書を作成することで、他者と大きく差をつけることが可能です。IR情報から・・・

 

・企業がかかげる中長期のビジョンは?
・企業の好調面と不調面。その原因は?
・経営トップのビジネスに対する考え方は?

 

このような情報をリサーチし、自分の強みとマッチングさせることを意識しましょう。

会社のニーズを合わせて「強みの厳選」をする

履歴書の強みと書き方

 

履歴書は、自己満足で終わってはいけません。相手側のニーズを汲み取り、それに合わせた自己表現が大切です。

 

就職活動とはマーケティングや営業そのものです。そのため、履歴書に好き勝手書いていては「ビジネスセンスゼロ」という評価を受けることになります。

 

なぜ、企業は人材を採用したいのか?それは、企業が抱えている「弱点」を埋めるためです。

 

企業はどんな悩みや弱点を埋めたいのか?企業が抱えている最も深刻なニーズは何か?これらにマッチングした履歴書を提案できれば、あなたは間違いなく採用されます。

 

ステップ2の「IR情報を活用した企業リサーチ」を参考に、企業側のニーズと自分の強みをすり合わせることを意識しましょう。

 

そうすることで、自分の強みの中でも、どれを優先して見せるべきか、その強みをどのように伝えれば評価が上がるかが、具体的に分かってきます。

 

・企業側はどんなニーズを抱えているか?
・企業側のニーズは、どうすれば満たされるか?
・自分の強みが役立つことを、具体例を用いて示す

 

このような視点で履歴書を作成すれば、企業が魅力を感じない「ムダな情報」が削がれます。

 

その企業が求めていないことを書いて履歴書を埋め尽くしても評価されません。履歴書に空白があってもOK。企業のニーズに突き刺さる情報だけが書かれた履歴書の方が、何百倍も評価されます。

履歴書を具体的かつ強力に加工する

履歴書の強みの書き方

 

履歴書で自己PRするときに、多くの人が陥ってしまうのが「抽象的な言葉」を使ってしまうケースです。

 

「責任感がある」「コミュニケーション能力が高い」「気遣いができる」「知識や経験豊富」などが良くありがちな失敗例ですが、これでは絶対に評価されません。

 

このような抽象的なワードを書きそうになったら、いったんペンを置いてください。そして「なぜ、この言葉を書いたのだろうか?」と自問自答するのです。

 

例えば「責任感がある」という言葉は、過去の経験から起因しているはず。なぜ、自分には責任感があると思うのか、その「根拠となる経験」を書くことで具体性が上がり、企業側もイメージしやすくなります。

 

自分の強みの根拠となっている経験を「数字」などを交え、その経験を共有しない「赤の他人」でも鮮明にイメージできるよう具体化しましょう。

 

さらに、企業側がイメージしやすくするためのテクニックが「他者(物)との比較」です。比較することで、自分の強みを際立たせることが容易になります。

 

「××と比べて、私は▲▲することで●●を達成しました」

 

例えば「私は営業のフットワークが軽いです」を「Aという業界において、営業マンは一日に3社のアプローチが限界ですが、私は一日に10社以上を営業してきた実績があります」という様にです。

 

・抽象的な強みは「経験」から具体化する
・強みを「数値」と「比較」によって際立たせる

 

上記の視点を持って、抽象的なワードを具体的にし、あなたの強みを際立たせ、より強化していきましょう。

志望動機の書き方

履歴書の志望動機

 

ステップ1~4で、企業のニーズが十分に把握できたはずです。ここが明確になっていない場合、どの企業にでも使い回せる「曖昧な志望動機」になります。

 

具体的な失敗例としては「貴社の社風に魅力を感じました」「貴社の業務内容に興味を持った」など、抽象的な内容を並んでいる志望動機です。

 

企業リサーチを徹底的に行い、企業がこれから向かおうとしている「方針」を把握すること。そして、その方針に自分が貢献できる「根拠」を、強みや実績、過去の職務履歴とリンクさせて表現しましょう。

 

そうすることで、企業が求める人材とマッチングしていると人事側に思わせ、また明確な志望動機を持って挑んでいるという熱意が伝わります。

 

加えて、自社のビジョンと、あなたのキャリアゴールをリンクさせるように表現すること。そうすることで、企業とともに成長してくれる志の高い人材だと評価されるでしょう。

 

・企業側が求めている人材を理解しているか?
・企業側の成長のために過去の職務履歴が活用できるか?
・その企業だからこそ関わりたいという明確な意欲が伝わるか?
・企業のビジョンと自分のキャリアビジョンがマッチングしているか?

 

この視点を持ちながら、志望動機を書くことで、その他大勢と差をつける魅力的な履歴書が完成します。

職歴の書き方

履歴書における職歴の書き方

 

魅力的な職歴を書くためには、今回の求人における「応募職種」だけでなく「企業が求めている人材」を理解していることが前提条件です。

 

初歩的ですが、あなたの職歴と応募職種をマッチングさせることは重要です。これを怠ると「カテゴリー違い」と判断され、書類選考の段階ではねられる可能性があります。

 

次に、企業のビジョンとマッチングした「キャリアゴール」を設定したと思いますが、多くの人は、キャリアゴールとは直接関係がない職歴も、同じように書いてしまい「ぶれた職歴」になりがちです。

 

キャリアゴールに関係のある職歴だけを強調し、それ以外の職歴は控えめに書きましょう。もしくは、関係のない職歴でも、そこで経験したことを、キャリアゴールと関連性を持たせて伝えましょう。

 

各職歴で経験した事柄は、2~3行にまとめます。前述した、数字や比較などを駆使し、第三者が見ても容易にイメージできる具体的な内容にしましょう。

 

また、企業のニーズとマッチした資格やスキル、その職種でニーズの高い資格やスキルも強調して書きましょう。

 

なお、職歴を書く際に気をつけてほしいことは「致命的な欠点」を目立たせないことです。嘘をつく必要はありませんが、欠点を小さくすることが重要です。

 

職歴において致命的な欠点とは2つ。それは「キャリアゴールと関連性のない職歴」と「キャリアブランク」です。

 

あなたのキャリアゴールと関連性のない職歴がある場合は控えめに書くか、その職歴で経験したことを、キャリアゴールと関係のあるよう表現を工夫しましょう。

 

また、6ヶ月以上のキャリアブランクがある場合は、企業側が納得できる「事情」を書き添えることが重要です。家庭の問題、怪我や病気など、やむをえない事情を書いておきましょう。

 

また、キャリアブランクの間でも、仕事に対する向上心や熱意を持っていたことを伝える内容も添えましょう。例えば、キャリアアップのために取り組んでいたことや、社会貢献などです。

特技や趣味の書き方

履歴書の趣味や特技

 

趣味や特技については「好印象」を持ってもらうことを意識して書くのがコツです。そのため「特になし」は絶対にNGです。

 

また、奇をてらった趣味や特技も控えましょう。なぜなら、人によって印象の受け止め方が異なるからです。一般的に印象の良い趣味や特技だけに絞りましょう。

 

例えば、読書や映画鑑賞などは一般的に無難です。しかし、単純に「読書と映画鑑賞が好きです」と書くだけでは意味がありません。

 

あなたが、読書や映画鑑賞によって「学んだこと」は何でしょうか?

 

例えば、歴史小説を読むのが好きなら「歴史は繰り返されるという過去の教訓を活かし、自分の行動指針を決めています」と添えることで、印象は大きく変わります。

 

特技についても同じで、それを通して学んだことを簡潔に添えることで、好印象が得られます。

 

また、あなたの「人間味」を伝えることで、好印象を得るのも使えます。

 

例えば、特技がマッサージだとすれば「業務でお疲れの方がいましたら、私にお申し付けください」と添えておきます。これだけでも、あなたの人柄が伝わるのが分かるはずです。

 

趣味や特技には「あなたの資質」が隠れています。どんな小さな趣味や特技でもOK。そこから、自己を深く見つめることで、あなたの印象を良くする資質をあぶりだすことができます。

長所と短所の書き方

履歴書の長所と短所の書き方

 

長所は、企業が求めているニーズとリンクさせることが大切です。

 

例えば、営業職であるなら「誰とでも会話ができ、聞き上手です」という長所を、より企業ニーズにマッチングさせます。

 

「誰とでも会話ができます。特に、相手の話を聞くのが好きなため、相手が望んでいることに気づくのが早く、前職でもお客様と良好な関係を築くことができました」という様にです。

 

前職の経験や成功体験を使い、企業ニーズとマッチングするところまで、長所を具体化するのがコツです。

 

次に、短所ですが、視点を変えることで「長所」として捉えられないか考えましょう。ポイントは、短所を述べたあとに「逆接詞」を使うことです。

 

例えば、あなたの短所が「優柔不断」だとします。

 

この場合は「物事を決定する際に、あらゆることを考えてしまい決め兼ねることがありますが、深い思慮を持ちつつ、よりスピーディーに決定するよう努めたいと考えます」という様にです。

 

この思考法を持ちながら、以下の長所と短所の例文集を参考に作ってみましょう。

最強の履歴書にブラッシュアップする

履歴書のブラッシュアップ

 

より、企業に評価される履歴書にならないか繰り返し見直し、研鑽することが大切です。重要なので繰り返しますが・・・

 

・企業側のニーズとマッチングしているか?ズレはないか?
・数値や比較の定量化によって、強みや実績を高められないか?

 

この視点を持って、さらに具体的で強力な履歴書に仕上げていきましょう。また、履歴書を書くための素材が不十分だと思う場合は、ステップ1に戻ってやり直しましょう。

 

求人のチャンスは一社につき一回です。しかし、ブラッシュアップされた精度の高い履歴書は、成功のエッセンスが凝縮されたノウハウの塊です。次の履歴書の作成に必ず役立ちます。

 

好印象な履歴書に仕上げる11のチェックポイント

履歴書のチェックポイント&チェックリスト

字は丁寧さを心がけたか?

字が下手なのは仕方ありませんが、丁寧に書くことが好印象につながります。相手に読まれることを意識して書くことで、企業側に配慮が伝わり、評価が上がります。

誤字脱字はないか?

誤字脱字を放置していると、企業側に見直しをしていない「いい加減な履歴書」だと評価されます。しかし、書いた張本人にとって誤字脱字はなかなか気づかないもの。

 

対策としては、少し時間を空けてから履歴書を見直したり、声を出して読んでみるのがコツです。また、履歴書を下から逆に読んでみたり、他人に朗読してもらうのもおすすめです。

名前と生年月日

名前は小さく書いてしまうと、自信がない印象を与えてしまいます。履歴書でも名前の欄は、一番に目に入ってくる箇所です。大きな字で丁寧に書いて、自信を表しましょう。

 

また、生年月日は「西暦と和暦」を併記しておくと好印象です。例えば「2015年(平成27年)」というように両方を書くことで、きめ細かい配慮ができる丁寧な人柄と判断されます。

住所や連絡先

住所は省略せず、正式な住所を記載すること。また、連絡先も、複数ある場合は全て書きましょう。加えて、日中にコンタクトが取りやすい連絡先を示しておくのも、相手への配慮として良いでしょう。

 

例えば「日中は、携帯電話にご連絡ください。折り返しこちらより当日中にご連絡さしあげます」などと、書き添えておくことで、さらに好印象を与えることが可能です。

写真

写真は、あなたの第一印象を決定する要素です。企業側が警戒せず「会ってみたい」と思わせる写真を選びましょう。

 

コピーや印刷をした写真を使うのは厳禁。特に、白黒は最悪です。あなたの印象が暗くなりますし、コピーした写真は使い回していると思われ、評価が下がります。

 

笑顔と清潔感を演出しましょう。スーツと大人しい髪型が王道です。女性の場合は、派手な化粧はしないように。すっぴんは逆効果ですが、清潔感のある知的メイクを心がけましょう。

 

最後に、写真の裏側に「名前」を必ず書いておきましょう。これも配慮です。

学歴や職歴

学校名や過去に就職していた企業名などは省略せず全て記入しましょう。なお、小学校と中学校については重視されないため「卒業年度のみ」の記入で良いでしょう。

 

なお、中途採用の履歴書の場合、職歴欄はできるだけ空白を作ることなく、埋まっている方が印象が良いのは否めません。改行をうまく使って空白ができないように工夫しましょう。

 

また、企業のニーズとマッチするようなら「アルバイトやパートの経験」を記入するのも手です。

 

新卒の場合は、職歴ではなく「今まで学習してきた経歴」で、空白を埋めることを重視しましょう。学部や学科、専攻もしっかり書くことで空白を埋めることができます。

免許や資格

免許や資格については、企業のニーズに無関係なものでも全て記入しましょう。勉強熱心で努力家という印象を与えることができます。

 

免許や資格の名称についても省略せず正式名称を書きましょう。例えば「普通自動車免許」の正式名称は「普通自動車第一種運転免許」なので注意してください。

 

また、免許や資格は取得した順番に記入し、取得年月日も詳細に書いておきましょう。また、現在勉強中のものもあれば、しっかり書いて、人柄をアピールしましょう。

志望動機と自己PR

志望動機、長所や短所などの自己PRについては、前述したように「企業ニーズ」とマッチングさせること、数字や比較を駆使して「強みや実績を定量化」することがポイントです。

 

空白がある場合は、志望動機や自己PRを、より強化かつ具体化できないかを考え、中身の濃い内容で埋めるように心がけましょう。

 

そのため、志望動機や自己PRにおいて「特になし」の記載はタブーです。

履歴書は印刷か手書き、どっちが評価される?

履歴書については人事によって好みが異なり、印刷か手書きか、どちらが良いのかは一概には言えません。

 

また、これだけで評価が落ち弾かれることはありませんので、もっと本質的なところに力を注ぐことをおすすめします。

まとめ

就活とは「企業へのプレゼン」であり、履歴書とは「企画書」という意識を忘れないことが、成功の秘訣です。

 

多くの人は、企業に雇ってもらう「消費者」のようなスタンスで挑むため、自分の希望ばかりを書き連ねた履歴書を作る傾向にあります。

 

しかし、この記事を読んだあなたは、他の人よりも魅力的な履歴書を提案することができるはず。良い結果が得られることを心から祈っています。

 

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