『節約なくしては誰も金持ちになれないし、節約する者で貧しい者はない』(サミュエル・ジョンソン イギリスの詩人・批評家)
貯蓄を殖やす上で、このサミュエル・ジョンソンの言葉を心に留めておくべきでしょう。
「低所得だから貯蓄が殖やせない!出来ない!」という意見もありますが、貯蓄が増やせるかどうかは、所得の問題ではありません。
なぜなら、貯蓄を殖やすためには「入ってくるお金(収入)と出ていくお金が(支出)のバランス」を取ることだからです。つまり、収入は関係なく、支出が収入を超えないようにすることが貯蓄なのです。
※生活に困窮するぐらいの低所得で貯蓄が難しいケースは当てはまりません。
入ってくるお金(収入)と出ていくお金が(支出)のバランスを取るというのは、理屈としては簡単ですが、実際に実行するとなると非常に困難で、意識しなければできません。
では、どうすれば「貯蓄の意識」を持てるかということなのですが、まずは「現状認識」が大切です。
これは、新たに何かを始めることに置いては全てに通じる話です。まずは、自分の現状認識をすることで「実現可能な目標」を具体的に立てていきましょう。
つまり、貯蓄を増やすという目標達成においては「現在の収入」と「支出」を把握することが第一歩となります。
この記事の目次
お金を貯める方法を知りたい方は必見!簡単な家計簿のつけ方3選
お金の貯める方法は「家計簿のつけ方」を知ることが基本かつ最も有効です。貯蓄に必須である「収入と支出の把握」をするには、家計簿が絶対に欠かせないからです。
ちなみに、過去に家計簿をつけていたけど続かなかったという方もいるかも知れません。しかし、そういう場合は、簡単で続けやすい家計簿のつけ方を知らなかっただけです。
まずは、3種類の家計簿を紹介しますので、これなら続けられそうと思える、自分に合った家計簿を選びましょう。もちろん、自分のやりやすいようにアレンジを加えてもOKです。
1.細かく管理
「収支管理」を細かくすることで、今まで気づかなかったことにも目が届くため、家計の問題点をより見つけやすくなります。
しかし、あまり細かく管理することにこだわると、かえって大きな問題を見過ごしたり、長続きしない可能性もあります。貯蓄は「継続が命」です。
2.ざっくり管理
「いくつかの重要項目」を自分で決めて、ざっくり管理することで、家計簿をつける時間を簡素化します。
「ざっくり」の定義とは何かというと「どういったものにいくら使ったか?」が、おおよそ把握できるイメージです。簡単なので長続きしやすい家計簿のつけ方と言えます。
3.用途で分類して管理
支出が「消費・浪費・投資」のどの用途にあたるかで項目を分けて管理します。これをざっくり確認することで「支出の見直し」が明確になり、家計の改善が行いやすくなります。
ちなみに「消費・浪費・投資」のバランスは、下記の比率が理想的と言われています。
・消費 … 70%
・浪費 … 5%
・投資 … 25%
家計簿のつけ方はノートとアプリどっちが良い?おすすめのツールと使い方
次に、どんなツールを使って家計簿をつけるのかも大切です。家計簿ノートやアプリなど、様々なツールから自分に合ったものを選ぶことが、モチベーションを継続させる秘訣です。
家計簿ノート
家計簿ノートは、1ヶ月分を1ページの見開きにおさまるタイプがオーソドックスです。つまり、家計簿ノートを購入しなくても「ルーズリーフ」などを使うことで、自分に合った使い方がカスタマイズできます。
家計簿ノートのメリット
・好きなように書き込むことができる。
・追加が自由にできる。
・始めやすい。
家計簿ノートのデメリット
・次第にかさばってきて、置き場所に困る。
・集計が大変。
袋分け・レシート貼り付け型家計簿
袋にレシートをとっておく、もしくは貼り付けて管理するタイプの家計簿です。
レシートに記載されている明細をもとに、どんなものにお金を使っているのかを把握することが可能です。レシートの残らない交通費などの支出については「メモ書き」によって代用します。
袋分け(レシート貼り付け型)のメリット
・貯めてしまっても後でまとめてやりやすい。
・支出の詳細な内訳が把握できる。
袋分け(レシート貼り付け型)のデメリット
・貼付ける手間がかかる。
・レシートを貼付けるので、厚みが出てしまう。
家計簿アプリ(クラウド型)
パソコンやスマートフォンのアプリを利用した家計簿です。銀行の口座や電子マネーと言った情報を一括管理することができます。
家計簿アプリのメリット
・集計や収支の計算も自動的にしてくれる。
・グラフや表といった視覚的にもわかりやすい表記がある。
・無料で使えるサービスもある。
家計簿アプリのデメリット
・個人情報の漏えいする可能性がある。
・提供側のサーバーがダウンした場合、使用できない。
・紙で保管する場合はプリントアウトしなければいけない。
家計簿は家計の「診断書」であり、無駄遣いという生活習慣病を治すための処方箋です。
繰り返しますが、家計簿をつける最終的な目的は『貯蓄を殖やす』ことです。そのためには収支の状況を把握し、自分とお金の関わり方を、自分に意識させることが大切なのです。
そのため「これが正しい家計簿のつけ方だ!」というものは特にありません。もし、あるとするならば、あなたに「貯蓄を殖やす意識」を喚起させる家計簿です。
また、家計簿は継続が命です。宝くじを当てたり、FXや株式などで一攫千金を狙ということでない限り、短期的に貯蓄を殖やすことはできません。
貯蓄とは、あくまで「長期的な努力の結果」であり、それができて初めて増やすことができます。
毎月の貯蓄額はいくらにする?貯蓄額の決め方
家計簿をつけることで、月々に自分がいくら支出しているかがハッキリと分かります。
また、支出を何に使ったかも見えてきます。さらに、毎月必要な支出と、そうとも言えない支出、言うなれば「無駄遣い」があることも見えてきます。
家計簿を通して、自分のお金の使い方と、自分のお金に対する認識が明らかになり「支出の見直しと節約」が可能になります。そのうえで月々、貯蓄にいくらまわせるかを計画立てていくのが、貯蓄額の決め方です。
貯蓄額の理想の平均値はどれぐらい?
毎月の貯蓄額の理想は手取り収入の20%と言われています。
もちろん、一人暮らしなのか、共働きなのか、子供の有無によって%は変わってきます。しかし、何よりも大切なことは、少し余裕を持って無理なく続けられる貯蓄額の設定です。
貯蓄を殖やすためだと無理をすると、その少しの無理が積もり積もって、貯蓄を続けることを諦めてしまうことになります。また、今までの我慢がストレスになって無駄使いをしてしまうリスクもあります。
貯蓄額が多いと気持ちの余裕につながりますが、貯蓄額を増やすために気持ちをすり減らしてしまっては本末転倒なのです。
あなたの支出を「固定費と変動費」に分けよう!
家計簿をつけることで、支出の内訳がはっきり見えてきます。その中で「固定費と変動費」に分けて考えれば、より見直すポイントが見えてきます。
「固定費」とは、家賃や住宅ローン、固定資産税といった居住費、生命保険や火災保険といった保険料、電話代やインターネット接続料の通信費など、月々に一定の決まった金額が支払われるものを言います。
「変動費」とは食費や遊興費といった、その月によって支払われる額が変わるものを言います。
家計を占める割合が比較的大きい「固定費」を見直すことで、大きな節約効果が得られますし、いったん見直してしまえば、それ以後の支出が恒久的に押さえられます。
特に「ローンや借金」は積極的に見直しましょう。金利の変動や利子の支払いを抑えることで、しなくても良い無駄な支出を避けられます。
また、変動費の中でも食費は節約の工夫がしやすい部分ですので、見直すポイントになるでしょう。
ただ、あまりにも節約すると「味気ない生活」になります。何度も言いますが「続けること」が大切であり、自分の価値観や生活環境にあった変動費の使い方を考えてください。
コツは「幸福度」を基準に節約の目安を考えることです。
例えば「交通の便が悪くても居住費を抑えよう」「その分、自然が楽しめる居住場所を選び、生活環境に少し多めに支出しよう」など、節約しながらも工夫によって「幸福度」の高い生活が実現できます。
家計のやりくりを毎月見直す!
家計簿は「家計の診断書」ですから、貧困と言う病気のもとである、お金の使い道や行動がないかをチェックし、もしあれば予防策となる節約や使い道の見直しをすることが必須です。
そのためにも月に一回は〆の日を設定し、自分の設定したとおりに貯蓄が殖えているかしっかりと確認することを習慣にしてください。
見直す基準としては・・・
・自分の生活にとって必要な支出→◯
・必要ではないがあってもよい支出→△
・思い起こせばなくてもよい無駄な支出→×
というふうに考えてみるのがコツです。
まずは『×』をつけた「思い起こせばなくてもよい無駄な支出」から見直すわけですが、使ったときは「無駄だ」という自覚がほとんどないはずです。
しかし、振り返ることでその時の傾向やパターンに気づきはじめます。その傾向やパターンを自覚することで習慣的に行われていた無駄な支出を抑えられるようになります。
『△』の必要ではないがあっても良い支出は、あなたにとって「人生を豊かにする支出」ともいえるので、言わば投資のようなものと言えるかもしれません。ただし「月々の限度額」は設定するのがおすすめです。
『◯』は固定費がほとんどになるはずです。こちらも日々様々な「お得なサービス」が登場するため、自分のライフスタイルの見直しも兼ねて確認し、支出が抑えられるものにアップデートしていきましょう。
『×』の金額を減らしつつ『△と◯』を見直すことで節約を促す。そして「自分のお金の使い道=自分の考え方・価値観」を客観的に見つめましょう。
これによって「自分が大切にしている価値観」が明確になれば、貯蓄を増やすモチベーションにもつながり、次の月に向けての反省点も具体的に分かってくるはずです。
使途不明金はあるものと考える
家計簿を振り返った結果、どんなに気をつけてこまめにレシートをとったり、メモをとっていても、収支の金額にズレが生じることがあります。
こういった「使途不明金」は収入の1~1.5%の範囲であれば許容範囲だと割り切ることが大切です。
正確な家計簿をつけることは理想ですが、あまりそのことに執着し過ぎるとストレスのもとになり、途中で挫折するリスクが出てきます。
10年、20年、30年と「未来」を想像して貯金する
ただ、貯蓄するというだけではモチベーションが続きません。人間に最も重要な要素は想像力です。
自分が貯金を増やしていく10年、20年、30年先の未来を想像すると、モチベーションを維持することが可能になります。
また、長期的なスパンで考えることで、目先のお金に囚われることなく、有意義なお金の使い道にも目がいくようになります。
その結果、収入が増えたり、貯金をするコツが身についたりと、貯蓄が増えていく可能性が高まっていきます。
未来を予測することは難しいですが、想像し計画することならできるはず。あなたが想像した未来を踏まえ、いつまでに貯蓄をどれぐらいするのか、具体的な計画を組み立てていきましょう。
見落としがちな「臨時支出」を予算に入れておく
さて、貯蓄の計画を立てる際に抑えておきたいポイントが「臨時支出」です。臨時支出とは、冠婚葬祭といった、あらかじめ自分の計画の中に組み込めない支出のことです。
臨時支出は、計画の中に組み込めないといっても、過去のデータや周囲の情報をもとに、ある程度の未来予測は可能です。
予測から割り出した金額を1年(12ヶ月)で割り、月々の収入から別枠で積み立てておきましょう。
こうすることで、テレビコマーシャルで良くあるような「急な出費に無人借金ATMを使用する」こともなく、無駄なローン返済をするリスクを減らすことができます。
これによって、せっかく貯めた貯蓄を取り崩す心配がなくなります。
お金を貯めるコツは『先取り貯蓄』である
家計簿をつけることで、自分の「お金を使う傾向」が把握できたと思います。
色々家計をやりくりした上で、余ったお金を貯蓄に回す『成り行き貯蓄』では、毎月の貯蓄額に波があり、よほど強い意識を持たない限り「余ったから使ってしまえ」という結果になる危険性があります。
以上から、毎月の給料日に自動的に積立が出来る『先取り貯蓄』が、お金を貯めるコツになります。
給料日に、自動積立の引き落とし日を設定しておけば、給料が振り込まれた段階で自動積立の別口座に引き落とされるため、先取り貯蓄に回すはずのお金をうっかり使うこともなくなります。
また、給料日に『先取り貯蓄』に回し、残ったお金で家計のやりくりを行うことができるため、自然と貯蓄が行えるメリットがあります。
「先取り貯蓄」に適した金融商品がある?
先取り貯蓄をする上で、あなたが公務員であるなら「財形貯蓄制度」が良いでしょう。これは公務員じゃなくても「財形貯蓄制度」を導入している会社に勤めている方なら利用することができます。
財形貯蓄制度は、給料から天引きされるので『先取り貯蓄』が自然とできる方法です。積立金額も11000円以上から1000円単位で自由に設定できるため、家計簿をもとに金額が設定できます。また、一度手続きをすれば、毎月設定した金額が自動的に積立てられます。
財形貯蓄制度を導入していない会社に勤めている人でも、銀行の「自動積立定期預金」や信用金庫の「定期積立」を利用することで、同じようなサービスが受けられます。
給料が振り込まれる銀行の自動積立定期預金を利用することで、財形貯蓄制度と同様に設定した金額が給料日に引き落としされ、自動的に積み立てられていきます。
お金を貯める方法はコツコツ!これが小金持ちへの道!
お金を貯める方法とは、コツコツと長い道のりを歩むこと。これが絶対条件です。だからこそ、自分に合った家計簿のつけ方と、家計簿が続けられる環境整備整は欠かせません。
人間は、強く意志を持つことよりも「自然とやってしまう環境」を作った方が無理なく行動ができます。
なので、家計簿ノートやアプリ、先取り貯蓄ができる金融機関のサービスを使うことで、長く無理なく貯蓄ができる環境作りからスタートしてみてください。
きっと希望の年に、希望の金額が貯蓄できることでしょう。