
「アイツさえいなければっ!」
「あの人に会うと思うと憂鬱になる!」
誰しも、生きていれば「嫌い&苦手なタイプの人」はいるもの。顔を思い浮かべるだけで気分が沈んでしまう、できれば顔を会わさずに済ませたい、そんな風に思うこともあるでしょう。
実際、私たちのストレスの原因はほとんどが「人間関係」ですし、嫌いな人や苦手な人との関わり方は、ストレス社会を生きる現代人にとっては大きなテーマと言えます。
そこで、今回は『不幸ながら出会ってしまった嫌いな人&苦手な人への対処法』を紹介します。
様々な視点、パターンを紹介しますので「これなら自分に合うかも」「あの相手にはこのやり方が有効かも」と思えるテクニックを試してみてください。
この記事の目次
- 1 「自分は変えられるが人は変えられない」と覚悟する
- 2 セルフイメージを調整する
- 3 自分の長所の見つけ方を知る
- 4 長所を言葉で唱えて自覚化する
- 5 良いと思った「習慣」をコピーする
- 6 脳内でセルフイメージを高める
- 7 人を嫌い&苦手と感じる「原因」を具体的に考える
- 8 もしかしたら?と考えてみる
- 9 違いを受け入れる
- 10 過去の記憶から解きほぐす
- 11 必要最低限の接点に押さえる
- 12 普通に接する
- 13 感情的になる話題は避ける
- 14 共通の知人・友人を作らないように注意する
- 15 相手との距離を図る
- 16 苦手な人とはあえて距離を置かない
- 17 自分なりの癒しの方法を知っておく
- 18 相手がいない時に相手の事を考えない
- 19 相手にも、友達や家族がいると考える
- 20 一対一の状況を作らない
- 21 逃げる
- 22 まとめ
「自分は変えられるが人は変えられない」と覚悟する
例えば、辛辣な言い方をする相手い対して「もう少し優しい言い方をしてくれれば良いのに」と考えたりはしないでしょうか?また、相手を注意したくなるのではないでしょうか?
しかし、残念ながら相手を変化させるのは難しいでしょう。なぜなら、人は変化よりも「安定」を望むからです。また、人は自分が望んでいないタイミングで変化を求められると強く反発します。
ですから、もし、あなたが苦手な相手に対して、自分の望むような変化を求めた場合、更なる揉めごとやストレスの原因を作り出してしまいます。
人間関係の鉄則として「自分は変えられる、人は変えられない」と言う事を心に留めておいて下さい。
セルフイメージを調整する
「自分は変えられる」と言いましたが、もちろんこれは『自分を相手に合わせる』と言うことではありません。自分を偽って、嫌いな人に合わせるのは、一番大切な自分を傷つけてしまうことだからです。
ここで言う「自分を変える」とは、乾布摩擦をしたり、ジョギングで身体を鍛える、身体に良い物を食べるといった「風邪をひかないために抵抗力を高める」というイメージです。
人間関係は「自分の内面性の鏡」です。自己嫌悪に陥っていたり、自分を受け入れられない状態であれば、人に対しても嫌悪感や苦手意識を抱きやすいのです。
そのため「セルフイメージの向上」が対人関係の基礎であり、最も有効な苦手な人への対処法なのです。
それでは具体的にその方法をご紹介しましょう。
自分の長所の見つけ方を知る
セルフイメージの向上には、まず現状の「ありのままの自分」を認識し、受け入れることが必須条件です。
しかし、自己嫌悪(自己否定感)に陥っている状況ではなかなか難しく、ともすれば自分の悪いところに注目してしまい、さらに自己嫌悪に陥る「負のループ」にはまってしまう危険があります。
そこで、どんな些細なところでも良いので「自分の長所」を探してみましょう。
もしも「自分には長所はない」と思っているのであれば「こういうところはマシかも」と感じられるポイントでもかまいません。少しでも肯定的に捉えられるポイントを見つけましょう。
そして、自分の長所を改めて誉めてみてください。
自分の長所を見いだす視点を持つことで、相手の長所を見つける視点が養われます。
ナルシスト的に自分の長所を見つけ、誉めるワケではありません。あくまで「謙虚さと感謝の気持ち」があるからこそ、ありのままの自分を肯定的に受け止めることが出来るのです。
長所を言葉で唱えて自覚化する
自分の長所を見つけたら言葉にしてみましょう。もしくは神に書き出してみるのでも良いでしょう。自分の気持ちの中だけにとどめておくのではなく、外に出して自覚化してください。
人間の感情はどうしても否定的な流れに向かいやすいので、気持ちの中にあるだけではせっかく見つけた長所もかき消されてしまう危険性があります。
また「自分の長所を見つけられる人=他人の長所を見つけられる人」のため「自分の長所を言葉に出来る=人の長所も言葉に出来る」にも繋がってきます。せっかく見つけた相手の長所です。しっかりと伝えていきましょう。
自分を誉めることができ、他人に感謝の思いを伝えられるようになった時、あなたのセルフイメージは向上しています。その結果、周囲の人間関係が良いものに変わっていきます。
良いと思った「習慣」をコピーする
「人間を形作っているのは習慣である」というように、私達は日々の習慣によって人格が形成されています。
ですから、自分や周囲の人々のちょっとした言動に「あっ、それ良いかも!」と感じるものは、自分の習慣としてどんどん身につけていきましょう。
そうすることで、恒常的にセルフイメージが向上し、自分にも他人にも良い関係を築くことが出来ます。
脳内でセルフイメージを高める
「自分がキラキラ輝いている姿を思い浮かべる」
「周囲が好意的でニコニコしている姿をイメージする」
このように「自分と他人を認め感謝しているイメージ」をしてください。なお、イメージ中は気持ちを込めて行うことが大切です。五感をフル活用した臨場感のあるイメージをするほど効果は絶大です。
このイメージングを習慣化することで、人間関係にも好影響が表われてきます。
人を嫌い&苦手と感じる「原因」を具体的に考える
セルフイメージの向上によって、あなたの中の「苦手を受け入れる度量」が高まります。
とは言え、人間はなかなか「聖人君子」になれるわけではなく「どうしても苦手だ」と感じる人もいるでしょう。
その事実は事実として受け入れ、まずどういった理由から苦手意識を抱いているのか、具体的に原因を探っていきましょう。
嫌い&苦手の原因を知ることで、対処法や解決策も見えてきます。また、セルフイメージを保つための「新たな対策」も見つかるでしょう。
もしかしたら?と考えてみる
例えば、初対面の人に、あなたから挨拶をしたのに無視をされた・・・もしくは笑顔で話しかけたのに無愛想に返事を返された・・・
そのような「第一印象の悪さ」から苦手意識が生まれたとしましょう。
人間関係は、第一印象に大きく左右されるため仕方のない事ではありますが、もしかすると、相手は機嫌の悪いタイミングだったかもしれませんし、大きな不安を抱えていたのかもしれません。
相手の良くなかった状態を「ポジティブに仮定」することで、自分の気持ちが整い、セルフイメージを守る対策ができます。
違いを受け入れる
誰しも、自分と考え方や生活習慣に違いのある他人を受け入れるのは難しいもの。ましてや、考え方が正反対だった場合は不愉快な思いをするものです。
人間は、自分の考えに同意や支持してくれる相手に安心感や幸福感を見いだしますが、違う考えを持つ相手には不安や苛立ちを感じます。
そこで、一歩引いたところから相手の考え方を俯瞰してください。
面白い刺激の発見があるかもしれません。自分には無い考え方を学ぶチャンスかもしれません。相手の長所を見つけようと前向きな意識をすることで、気付かなかった相手の美点が見つかるかもしれません。
世界には何十億もの人間がいて、様々な考えの人間がいます。自分の考えに確信が持てていれば「違い」を否定で返すことなく、受け入れる事が出来るはず。
「違うのが当たり前、同じなら有難い」
このマインドセットを忘れず持っておきましょう。
過去の記憶から解きほぐす
初めて出会った相手が過去、自分に対して嫌がらせをした人物に似ている時、たとえ別人だと分かっていても苦手意識が生まれます。
このような状況を心理学では『陰性転移』と言います。過去の人間関係を今の人間関係に重ねてしまう状況です。
まずは、陰性転移のもとになっている「過去の嫌な相手」との違いを見つけてください。ここでも「相手の長所を見つけようとする意識」が重要になってきます。
過去の嫌な相手との違いが見つかり、長所を見つける事が出来たら・・・少しずつではありますが、苦手意識の元となっている過去の体験から、自分を解放するチャンスにもなります。
陰性転移が起きた時はピンチですが、過去からの解放のチャンスと捉えることで、セルフイメージを高めるチャンスにすることもできます。
実際問題、目の前にいる相手と、苦手の元となった過去の相手とは別人なのですから(笑)
必要最低限の接点に押さえる
嫌いな人を理解しよう、苦手な人を受け入れようと思っても、やはり拒否意識が働いてうまくいかないこともあるでしょう。
そんな時はこちらから無理に接する機会を作らないでください。職場であるなら必要最低限、職務上の接点を維持するだけにし、他ではできるだけ接点を作らないようにします。
心理学に「単純接触効果」と言うものがありますが、これは好意を持っている相手であれば、接触すればするほど好意が強くなります。ところが、不快に感じている相手であれば、接触するほど嫌いになってしまう反作用があります。
また、無理に受け入れようとすると、それが出来ない自分に対して「自己嫌悪」を持ってしまう恐れもあります。それはセルフイメージを下げ、ますます人付き合いが嫌いになります。
マイナスの単純接触効果と自己嫌悪の「負の連鎖」が起こらないよう注意しましょう。
普通に接する
嫌いな人だからといって無視をするといった行動はやめてください。大人げない行動は、苦手な人との関係をより悪化させるだけではなく、周囲にも悪影響を与えます。
また、あなたの行動に周囲の人達は良い感情を持たなく、あなたの印象も最悪になります。上っ面だだけでも良いので、他の人と同じように接するよう心がけましょう。
嫌いな人とはともかく、周囲の人達と良い関係を築けば、苦手な人から受けるストレスを軽減できます。
感情的になる話題は避ける
嫌いや苦手と感じるのは「感情」が働くためです。つまり、自分の感情を刺激するような話題は避けてください。
気を許している相手ならば良いのですが、嫌な相手では自分の「嫌だ!苦手だ!」という感情が言葉や会話の内容に漏れてしまう可能性があります。
そうなると関係はますます悪化します。
共通の知人・友人を作らないように注意する
嫌いな人と個人的な付き合いがなくとも、共通の友人がいると、苦手な相手の情報がこちらに流れてきたり、また逆にこちらの情報が相手に伝わったりと、なかなか気の休まらない状況になります。
現在、ツイッターやフェイスブックといった「SNS」の普及によって、こういった状況は起こりやすくなっているので注意が必要です。
基本的に、ネット上では「誤解されるような内容」は書かないようにしましょう。
相手との距離を図る
人間関係のこじれの多くは「相手の心に土足で踏みいったこと」で起こると言われています。すなわち相手との適度な距離が保たれていないために問題が起こるのです。
土足で踏み込んでくる相手には、できるだけ距離を取るように心がけてください。これは実際の物理的な距離も意味しています。
人には「パーソナルスペース」というものがあり、人間ひとりひとりが持っている縄張り意識です。パーソナルスペースは、以下の4つに大別されます。
・密接距離(恋人や家族など。ごく親しい人にのみ許される空間):~45㎝、
・個体距離(友達関係など。相手の表情が読み取れる空間):45~120㎝、
・社会距離(仕事関係など。相手に手は届かないが、容易に会話ができる空間):1.2m~3.5m、
・公共距離(講演者と聴衆のように、個人的関係でない場合など):3.5m~
上記を目安にして、嫌いな人&苦手人との距離を図るようしましょう。
苦手な人とはあえて距離を置かない
これは逆説的ですが、嫌いな人と距離を図るのではなく、逆にこちらから相手に入り込むという方法もあります。
人は距離を詰められるのを苦手と感じやすい傾向にありますが、しかし、こちらから進んで距離を詰める分にはなにも感じないのが面白い特徴です。
つまり、先制攻撃としてこちらから距離を詰めることで、関係性のイニシアチブを握ることが可能です。
自分なりの癒しの方法を知っておく
嫌いな人や苦手な人と接するうえで、傷つくことは避け難いことかもしれません。そうであるならば、その傷の癒やし方を自分なりに持っておくのも一つの方法です。
親しい友人とたわいのない会話をするのも良いでしょう。動物好きの人ならペットと過ごす時間が癒やしの一時となるでしょう。鬱屈したエネルギーを発散できるスポーツもおすすめです。
また、毎日欠かさず行っている「食事」は最高のご機嫌材料になるため、贅沢なディナーを楽しむのも効果的です。
相手がいない時に相手の事を考えない
最も避けたいことは「嫌いな人がいないときにも、その人のことを考えてしまうこと」です。これは大きな時間の無駄というだけではなく、さらに苦手意識や敵対心を増幅させてしまいます。
繰り返し嫌いな人のことを思い出してしまうのは、あなた自身が起こしていると自覚してください。自分で自分を苦しい方向に誘導しているのだと認識すれば、辞めた方が賢明だと実感するはずです。
少しでも苦手な人のことが頭に浮かんだら、すぐにかき消すように意識しましょう。
相手にも、友達や家族がいると考える
嫌いな人がいる際に気をつけてほしいのは「相手に強い憎しみを抱くこと」です。憎しみが、あなたの健全な精神状態に悪影響なのは言うまでもないことです。
嫌いな人への憎しみを和らげるために、その人にも大切な家族がいることを考えてください。あなたの精神が健全な状態で保たれているのであれば、相手への憎しみの念は和らぐはずです。
一対一の状況を作らない
もし、苦手な人があなたに対して攻撃的であったならば、一対一で対応するのではなく、冷静かつ客観的な対応をしてくれる「第三者」も交えて対応するようにしましょう。
そうすることで、あなたへの攻撃が緩和される可能性がありますし、クッションを挟むことで適正な距離を図る助けにもなります。
逃げる
最終手段として『逃げる』という方法があることを、いつも心に留めておいて下さい。
逃げることは卑怯であったり、敗北として受け入れ難い印象があるかも知れません。しかし、常識を超えた嫌な人・苦手な人はどうしようもありません。そんな相手に対して無理に立ち向かう必要はないのです。
不本意かも知れませんが、長い人生の中で、大切なあなた自身を守るためには『逃げる』という選択肢も必要です。
今まで刷り込まれた「逃げてはいけない」という考えに縛られず「いざという時は逃げても構わない、自分を守る方が大切だ」というマインドセットを持ってください。
これによって、あなたの心は軽くなり、結果的に、苦手な人への対処がしやすくなります。「どうしようもない!」と感じたときは迷わず逃げましょう。
まとめ
改めて言いますが、嫌いな人&苦手な人が現れた時にあなたがすべきことは『自分の声に耳を傾け、自分を知り、調整する』ことです。
「苦手だな」「嫌だな」と感じさせる相手に意識を向けるのではなく、まずそう感じた自分に目を向け「なぜそう感じたのか」「その時の自分はどんな状態だったか」と、内面に意識をフォーカスすることです。
そうすることで、その時の自分を冷静に分析することができ、自分を受け入れられる体制が整います。くれぐれも、相手をどうにかして問題解決しようと考えないで下さい。
自分自身を受け入れ、自分を愛することは、嫌いな人&苦手な人への対処法だけでなく、あらゆる人間関係を良好にするスキルにもなります。