劣等感とは、過去に周囲から「低い評価」を受け、その苦しみに耐えられなくなり、自分もその評価に降伏することで作られます。
「そうだよ。どうせ私は○○だよ」と認めた瞬間に、劣等感は完成するわけです。
また、劣等感とは「あなたに言われなくても、自分が○○なのは分かっているから」という、外部攻撃からの自己防衛でもあります。
つまり、このような「劣等感の塊」が作られてしまうメカニズムを知り、回避することが、劣等感の改善や克服になります。
そこで、今から「劣等感を克服する7つの解消法」を明かしていきます。
この記事の目次
劣等感には3種類あることを知る
まず、劣等感は大きく分けて3種類あることを知ってください。それは「攻撃、自慢話、不幸アピール」です。
残念ながら、劣等感を持つ人のほとんどは、日々の言動に劣等感が表われていることに気づいていません。
しかし、あなたの言動を客観的に見ている他人には、あなたの劣等感が確実に伝わっています。結果、他人はあなたに「低い評価」を下し、劣等感をますます感じるスパイラルに入ります。
以上から、まずは「3種類の劣等感」を知り、自分の言動にそれらが顔を出していないか自覚する。そして回避することが、劣等感を克服する第一歩になります。
攻撃性の劣等感
攻撃性の劣等感とは、自分が評価されていない分野で、高い評価を受ける人に対し、妬みや嫉みを持ち、批判的な言動をしてしまう態度です。
例えば、金持ちに対して「悪いことをしているに違いない」と批判したり、成功者の転落劇を見て「ザマーみろ」と思ってしまうタイプがこれです。
攻撃性の劣等感が強くなると、評価してくれない人や、社会に対して刃を向けるようになり、犯罪につながることもあります。
自慢話による劣等感
自慢話ばかりする劣等感は「優越コンプレックス」とも言われ、劣等感を隠すために表れる態度です。
例えば、貧乏という劣等感を隠すために、自分の知識をひけらかす人。仕事で評価されない劣等感を隠すために、高学歴を自慢する人などがそうです。
自慢や優越感は「劣等感の裏返し」だということ。本当に自信がある人や、実績がある人は、決して自慢や優越感を出すことはありません。
不幸アピールによる劣等感
不幸アピールとは、劣等感を打ち明けることで「自分は全然気にしていない」と思わせようとしたり、または慰めて欲しいという態度です。
しかし、他人にとって不幸アピールは「ありがた迷惑」で不愉快なもの。
人間には「ミラーニューロン」という神経細胞があり、目にした情報が、自分の身に起こったかのように錯覚してしまうメカニズムを持っています。
つまり、他人はネガティブな情報(不幸アピール)に不快感を持ち、あなたを避けるようになります。また、不幸ばかり起こる人が高い評価をされるわけがなく、ますます劣等感が強まります。
以上、3種類の劣等感が言動に表われていないかを確認し改善することで、劣等感の強化が回避でき、克服へとつながっていきます。
どんな物事にも「光と闇」がある
この世には「100%ポジティブな物事」も「100%ネガティブな物事」も存在しません。全ての物事には「光と闇」の両面が存在します。
例えば、大金持ちの家に生まれ、何の苦労もせず生きているボンボンがいるとしましょう。一見すると、なんて羨ましい運命に生まれたのだと思うかも知れません。
しかし、何もしなくても衣食住が保証され、面倒なことは全て他人がやってくれる環境にいれば、人はどうなるでしょう?努力や成長をする機会がないために、生きる力を失います。
また、周囲から「親のおかげで生きてられる」や「何もできないバカ息子」と陰口を言われることも多いはず。実際、それらを劣等感にする二世や三世は多いのです。
「隣の芝は青い」と言いますが、私たちは他人のことに関しては「ポジティブな側面ばかり」を見て羨む傾向にあります。ところが、自分のことは「ネガティブな側面ばかり」を見て劣等感を持つのです。
どんな立場、境遇の人でも「与えられたもの+与えられなかったもの」の両面で生きているということ。つまり、光と闇のどちらにフォーカスを合わせるかで「人生の景色」は180度変わります。
劣等感は「ネガティブな側面ばかり」を見た結果の産物。劣等感の強い人は「全ての物事には光と闇がある」という絶対法則を理解し、フォーカスを改めるべきです。
劣等感=克服できることだと理解する
他人に劣等感が持てるのはラッキーなこと。なぜなら、あなたは「自分もできる」と潜在的に確信しているからです。
あなたは、オリンピック選手に劣等感を持ちますか?「あの金メダリストは俺よりも足が速い!悔しい!」と思いますか?きっと思わないでしょう。(思う人は、金メダリストになれる器があります)
人は、自分が到底勝てない相手には劣等感が持てないように出来ています。つまり潜在意識で「自分もできる!なれる!」と思っているから、妬みや嫉みが生まれ、劣等感が作られるのです。
以上から「劣等感=克服可能なもの」と理解してください。
劣等感がある人は「成功者の素養」がある
人間なら、誰でも劣等感はあるもの。
もし、劣等感がないと言う人がいるなら、その人は自分が見えていない「盲人」に過ぎません。このような人は、何かを克服しようとか、自分を成長させようという向上心を持つことができません。
なぜなら「現状のままで良い」と思っていることと同意だからです。
私たちは、劣等感があるから「お金を稼ぎたい!強くなりたい!美しくなりたい!仕事で成功したい!」と思えます。これを心理学では「優位性の追求」と言います。
つまり、劣等感が強い人ほど「成長のためのエネルギー量」が多く、成功者の素養があると言えます。
劣等感が強い人は、ラッキーなのです。
生まれつきの劣等感は「ズバ抜けた才能」を開花させる
生まれつきの遺伝や障害など、後天的に解決が難しいものが劣等感になっている人は、凡人では達成できない「大きな物事」を成し遂げる素質があります。
前述したように、人間は劣等感をエネルギーに努力し、成長していく生き物。つまり、劣等感が強烈な人ほど、人一倍の努力と成長ができると言えます。
例えば、生まれつき体が弱い人は、それを克服するために「格闘技」をやるというケースは良く聞く話。実際、ボクサーや格闘家には、過去に肉体的コンプレックスがあった人は多くいます。
もちろん、劣等感をどう解釈するかで行動は変わります。「自分は生まれつきハンデがあるからダメだ」と、最初から諦めてしまった人も世の中には沢山いるでしょう。
しかし、劣等感を「前向きに解釈」することさえできれば、平均的に恵まれた境遇の人よりも、大きな成功を達成する素質があるのも間違いありません。
そこで今から、劣等感をうまく利用して、自分を成長させ、望みの成功を手にするためのテクニックを公開します。具体的な方法は以下です。
劣等感によるハンデと、それを補う解決策を客観的に考える
劣等感を解消するためには「劣等感の原因」を自覚することから始まります。
例えば、あなたには「身長が低い」という劣等感があるとします。では、なぜ身長が低いことがコンプレックスになっているのかを分析します。
分析のやり方は「だから」を付け加えて、劣等感の原因を深堀することです。
「私は身長が低い。だから・・・他人に舐められている気がして自信が持てない。」という様にです。この時点で「舐められたくない、自信を持ちたい」というのが根本原因なのが分かります。
原因が判明したら、あとはその原因を解消する「実行可能な解決策」を考えればOK。舐められない様に、自信が持てるように「格闘技」を習ってみるなど、解決のアイデアが色々と湧いてくるはずです。
原因が分からなければ解決は不可能。「だから」を使ったテクニックで、まずは劣等感の根を見つけ、実現可能な対策を考えましょう。
これによって劣等感を克服したとき、あなたは大きな成長を遂げています。
自分にできる「社会貢献」を考えて行動する
劣等感は「他者との比較」で作られます。つまり劣等感とは、社会(共同体)で生きる人間にとって、切っても切れないものと言えます。
そして、ここに「究極の劣等感克服法」があります。それは、劣等感を根本的に解消するには「社会貢献」をする以外に術はないということです。
繰り返しますが、劣等感とは「他者(社会)との比較」で発生するもの。つまり、自分が社会に貢献している実感を得ることが「自己重要感」を取り戻し、自分の価値を実感する解なのです。
「私は、この世に必要とされる存在だ」という実感こそが、劣等感の克服に必須だということ。
劣等感は社会(共同体)によって作られるものなので、一人で克服はできません。自分の中に引きこもってしまうと、劣等感は強化されていきます。
引きこもりは、社会からの断絶を意味し、どうでも良くなってしまい、死んでしまいたいという最悪の精神状態に入りやすい状態。劣等感の克服には「社会とのつながり」は欠かせません。
だからこそ、自分の強みや好きなことを自覚し、それを活かした「社会貢献」をする勇気を持つことが必須です。
大丈夫。劣等感と戦い続けてきたあなたには、社会に貢献できる「十分な経験やスキル」は、すでに備わっています。
まとめ
私が、あなたに劣等感を克服してほしい理由は、劣等感が「あなたの素晴らしい魅力」を封印してしまうからです。
劣等感という「自分は他人よりも劣っている」という思い込みは、あなたが持っている他人よりも優れたリソース(資源)まで閉じ込めます。これは、あなたの魅力が誰にも伝わらないことを意味します。
さらに恐ろしいのは、劣等感が、あなたの魅力を閉じ込めるだけでなく「卑屈な感情」を増幅させ、あなたの良心をも破壊してしまうことにあります。
他人の悪口や批判をする人を、私たちは悪人のように捉えがちですが、普段は日々を誠実に生きている「ごく普通の人々」が大半です。
彼らも違う場面では、人に優しく、家族を支え、真面目に生きている「魅力的な側面」も存在するはずなのです。
問題は、劣等感による「自分はつまらない人間だから、このままで良い」という開き直りや恨みが、個人の「とんでもない魅力」を奪い取るということ。
だからこそ、全ての人が「与えられたもの+与えられなかったもの」という、光と闇の両面で生きていることを理解し、ポジティブな側面だけにフォーカスを合わせ、行動することが極めて大切なのです。
このマインドセットを持って、劣等感と付き合うことができれば、劣等感は、あなたを成長させてくれる「最高のギフト」になってくれるはずです。