自己否定とは、自分を批判する「心の声」によって育まれます。つまり、あなたを罵る心の声のボリュームを下げることが、自己否定の改善方法になります。
なぜ、あなたを批判する声のボリュームが大きくなったのか?その原因を客観的に見つめ対応することで、自分が嫌いという感情が薄らぎ「自己肯定感」を強化することが可能です。
今から「自己否定を改善する7つの方法」を公開します。
この記事の目次
自己否定は「現実逃避」であることを自覚する
自己否定とは、自分の精神状態を正常に保つための「防衛本能」でもあります。人間は自己否定によって「2つの効果」を期待します。それは・・・
① 問題から逃げることで精神的ダメージを軽減する
② 問題を解決するために必要な労力を避ける
自己否定とは、深刻に考え過ぎることで起こる心と肉体のダメージを避ける防衛本能。しかし、自分嫌いが度を過ぎると、またそれが心身を蝕むという「矛盾」もはらんでいます。
しかし、このメカニズムを理解すれば、過剰な自己否定によるパフォーマンスの低下を防ぐことができます。
自分が嫌いになる「心の仕組み」を知ること。これが改善への第一歩なのです。
自己否定の後に「じゃあ、どうする?」と質問する
自分が嫌いになる根本原因は「逃避」だと説明しました。つまり、逃避せず「現状を直視すること」が、自己否定の改善につながることが逆説的に分かります。
自己否定をするとき、99%の人は自己批判で終わります。自分の許せない部分を、自分にチクチク言うだけで終わるのです。これは「逃避」で終わっている状態です。
自己否定の原因を直視するために、自己批判した後に「じゃあ、どうする?」という質問を投げかけましょう。
例えば、締め切りの仕事をやらず「また怠けてしまった!俺はなんて駄目なんだ!責任感のないクズだよ!」と、自分を批判したとします。
今後は、自己批判の直後に「じゃあ、どうする?」と付け加えてください。
この質問をすることで、あなたは自己否定の原因に直視せざるを得なくなります。ここで初めて、原因解決のための対策を考える態度が整います。
「うーん、俺のことだし自分一人では怠ける。俺にプレッシャーをかけてくれる他人が必要だ。そうだ、あの恐い上司にスケジューリングして貰えばやれるかも!」
このように、自分が嫌いな原因を直視し、いったん受け入れることで、脳が改善策を探すスタンスに入ります。これによって、自己否定だけで終わっていた頃よりも、大きな進歩が望めます。
また、改善策に意識が集中すれば、自己批判をしている時間がもったいなく感じるようになります。そういう意味では、自己否定とは「暇人」がやることなのかも知れません。
集団コミュニティに積極的に参加する
自分が好きという「自己肯定感」が強い人は、幼少期に「集団遊び」を多くしていた傾向にあることが、明星大学の研究で明らかになっています。
事実、自己肯定感の強い人の「約70%」が、幼少期に集団で良く遊んだと回答したそうです。
集団で遊ぶという活動は「互いを認め合う」というルールが前提にあります。そのため、自分の存在を他人から認められる経験が増え、自己肯定感を育みやすいと考えられています。
逆に、自己否定が強い人は、幼少期に集団で遊ぶ機会が少なかったり、両親から褒められた経験が少ない傾向にあるそうです。
幼少期の記憶は強力で、大人になっても影響を与え続けます。しかし諦める必要はなく「記憶の上書き」によって、今からでも性格を変えることは可能です。
そしてその方法とは、大人になった今からでも「集団活動ができるコミュニティ」に積極的に参加することです。
ただし、職場のような競争や足の引っ張り合いがあるコミュニティはNG。自己否定感が強化されるリスクがあるためです。
自分の好きなことや趣味を純粋に楽しめるサークルなど、心がワクワクするコミュニティを選び、集団活動をすることで、他人から認められる機会が増え、自己肯定の上書きがスムーズになります。
完璧主義を捨てる
そもそも、この世には「完璧」というものが存在しません。人間はもちろん、この世にある、あらゆる生命体、あらゆる物事は不完全なものです。
そのため、人間が完璧を求めると「行動しない」という選択を取らざるを得なくなります。なぜなら、不完全な人間が完璧を追求することは、自然の摂理から矛盾しているため不可能だからです。
完璧を求めることは「生まれた瞬間から、一度も息をせず寿命を全うしなさい」と要求されるぐらい、人間にとって無理なものだと理解すべきです。
米国の心理学者ラシアノフは、これを「完璧主義の麻痺」と名づけ、人間が完璧を追求すると「完璧にできないからやらない」という精神状態に陥り、最終的には、自己否定という逃避につながると説明しています。
完璧主義という無理ゲーで自信喪失することが、いかにバカなことか今すぐ気づきましょう。不完全な人間には7~80点が満点。適当な基準で生きれば、自己否定は簡単に改善されます。
「他人を許せない」という悪癖を治す
前述した「完璧主義者」は、他人に対しても完璧を求めます。そのため、他人のだらしない面が気になって仕方なく、イライラしたり叱りつけたりする特徴があります。
ただし、これは自分に完璧を求める「裏返し」のため、完璧主義がますます強化されるスパイラルに陥ります。つまり、他人を許せない態度は、自分で自分の首を絞める悪癖なのです。
世の中は、白か黒かという「二択の評価基準」で成り立っていません。あらゆるタイプの人、あらゆる考え方、あらゆる価値観があるからこその人間社会なのです。
白か黒かという絶対的な評価しかないのは、画一化された「ロボット社会」のみ。自分の物差しで他人を評価することは、傲慢極まりない「独裁政治」に似ています。
他人のだらしない部分も受け入れ、尊重してあげる習慣をつけること。そうすれば、自分のだらしない部分も許せるようになり、完璧主義という自己否定の要因を解消することができます。
他人に優劣をつけない&他人と比べない
自己否定が強い人は、自分と他人を比べ優劣をつける癖があります。対人関係に、優劣や上下をつけたがる性格の方は、特に注意すべきです。
前述したように、世の中は白か黒かの二択で成り立っていません。
例えば、あなたには「学歴」がないとしましょう。学歴コンプレックスという言葉があるように、学歴がないことに劣等感を持ち、自己否定をする人は沢山います。
しかし、それは「一つの側面」から見た評価に過ぎません。
違う側面では、学歴がないハンデが、その人を成長させ強くするという要素もあるのです。実際、私自身も学歴がない逆境から独立し、大企業のサラリーマンよりも金銭的にも精神的にも自由な生活を手にしました。おそらく、高学歴の大企業勤めなら達成できなかったと思います。
また、日本を代表する会社創業者も、学歴がない人が多いのも事実。
受験勉強の弊害で「決められた答え」がないと居心地が悪くなる学歴エリートより、学歴のない人の方が、柔軟な思考と行動で「突破力」があると評価できます。
もう一度言いますが、世の中は単純ではありません。同じ物事でも、白という人もいれば黒という人もいるように、白と黒の間には「無数のグレーゾーン」が存在するもの。
つまり、あなたの独断による「一側面の評価基準」で、自分と他人を比較するのは無意味なのです。無意味なら「自分は他人よりも優れている」という、都合の良い評価を選んだ方が得だと思いませんか?
自分の好きなところを見つける天才になる
自己否定が強い人は「自分の嫌いな部分」を見つける天才です。人の悪いところばかりを探している人ってどうでしょう?性格が悪いと思いませんか?確実に嫌われる人ですよね?
自己否定が強い人は、それを自分に対して行っていることに気づいてください。
しかし、そんな性格の悪い自分に気づけば「自分を好きになる方法」が見えてきます。なぜなら、自分が嫌いになる「真逆の習慣」を身につければ良いからです。
今日この瞬間から「自分の良い部分を見つける天才」になってください。
私たちの思考は「筋肉」と同じで、繰り返すことで強化されます。自己否定が強い人は、自分の嫌いな部分ばかりを見てきたため、その筋力が強くなっているだけです。
つまり、自分の良い部分だけを見つける筋トレをすれば、自己肯定の筋肉は強くなっていきます。今から、自己肯定感を高める方法を紹介します。
自己肯定感を高める具体的な方法
自己肯定感を高める方法は簡単。毎日寝る前に「今日頑張ったこと」を探し、思い出すだけです。
最低5個は思い出すなど「ノルマの設定」をすると良いでしょう。また、紙に書きだすことで視覚化されるため、自己肯定感がより高まりやすくなります。
あなたが今日頑張ったことを思い出しながら、親のような愛情を持って頑張りを認め、尊重してあげてください。そして、その愛を味わいながら眠りにつきましょう。
頑張ったこと以外にも、今日起こったラッキーなこと、感謝すべきことなどを思い出すことで、ポジティブなことを探す筋肉が鍛えられ、自己肯定感がますます強化されます。
全ての物事を肯定するゲームで遊ぶ
自己否定は、物事をネガティブに捉える癖が強い人ほどなりやすい症状です。
前述したように、どんな物事にも「光と闇」の両面が存在し、白か黒の二択で判断できるものではありません。つまり、どう解釈するかは無限であり自由なのです。
そうであるなら、自分が嫌いになるネガティブな解釈を、わざわざ選ぶ必要はありません。「全ての物事を肯定的に解釈するゲーム」で毎日を過ごされることをお勧めします。
あなたは、自分の身に起こる全ての出来事を、肯定的に解釈するゲームのプレイヤーです。否定的な解釈を3回してしまったらゲームオーバーになります。
例えば、恋人に振られても「時間とお金が自由になった!自分磨きのチャンス!」や「自分の価値が分からない人と結婚せずに済んだ!ラッキー!」と解釈しましょう。
これは「ゲーム感覚」で取り組むのがポイントです。ゲーム感覚で行うことで、深刻にならず気軽に楽しんで取り組むことができます。
これを繰り返すことで「ポジティブシンキングの筋力」が身につき、自己肯定感が育まれます。
まとめ
自己否定をする人とは「自分の味方が存在しないこと」を意味します。
基本的に、人間とは他人に無関心です。人の不幸は蜜の味という言葉があるように、人間は他人を軽率に見ています。
他人に関心があるなら、軽率に判断せず、深い思慮をもって接するはず。つまり原則、他人はあなたに全く関心がなく、自分の味方は自分しかいないということです。
これが理解できれば、せめて自分だけでも自分の敵にならず、自分の良い部分も、悪い部分も認め、受け入れ、尊重すべきだと気づくはずです。
ここに気づいて、初めて自分と真剣に向き合うことができ、深い思慮に基づく「具体的な改善方法」が見えるようになります。
つまり、あなたは自分の悪い部分を自力で改善でき、理想の自分へと進化を遂げていきます。自信に満ち溢れたあなたに、どんどん近づいていくでしょう。