ザ・ノンフィクション「中年純情物語~地下アイドルに恋をして~」を見て、沢山の気づきがあり、皆さんにシェアしたく記事を投稿します。

 

あらすじは、秋葉原を拠点とする地下アイドル「カタモミ女子」にハマる中年男性「キヨちゃん(53歳)」とその仲間達の物語。

 

カタモミ女子とは、アイドル活動をしながら肩もみのお店で働く不思議な存在。中年のキヨちゃんは、カタモミ女子のメンバー「りりあ」を熱心に応援しています。

キヨちゃんと肩もみ女子のりりあ

 

番組では、キヨちゃんが、りりあのファンであると同時に、彼女に恋をしてしまった心模様が描かれています。

 

この番組は評判だったようで、ツイッターなどのSNSでも話題になっていました。ただ、その意見に対して、私は違和感を持ちました。

 

以下は、お笑い芸人の東野幸治氏のツイートです。「壮大なコント」や「クスクス」という感想。彼のつぶやきに同意するフォロワーもいました。

東野幸治

 

しかし、この東野氏の発言が「優越感の表れ」だとすれば違和感があります。(ご本人は「自分は最低な人間」とエクスキューズされていますが)

 

まず、芸人として活動している人と、アイドルを応援する人の「優劣の定義」は何でしょうか?おそらく「・・・だってそうじゃない?」という曖昧な回答しかできないはずです。

 

私たちは、誰かが決めたらしい「物差し」で、あらゆる物事に「定義不明の優劣」をつけ、優越感に浸ったり、劣等感に苛まれている気がします。まるで見えない何かに動かされている様にです。

 

私も以前なら、東野氏のようにクスクス笑い、根拠のない優越感にひたっていたかも知れません。しかし、フラットな感情で番組を見たとき、実は、キヨちゃんはとても賢く人生を謳歌していることに気づき、学ばされたのです。

 

ザノンフィクション「中年純情物語~地下アイドルに恋をして~」を見て、キヨちゃんと仲間たちから学んだ「人生を豊かにする5つの視点」は以下です。

 

生き甲斐を感じる「コミュニティ」に属することの大切さ

人生の楽しみ方

 

人生の充実度は「所属するコミュニティ(共同体)」によって決まると言っても過言ではありません。なぜなら、人間は集団で生きる社会的動物だからです。

 

人は、家族、学校、会社・・・あらゆるコミュニティに属し、人生の大半の時間を過ごしています。

 

つまり、居心地の良さ、充実度、楽しさといった「ポジティブな感情」になれるコミュニティに属すことが、人生の質を上げるうえで重要であり、それがその人の「生き甲斐」につながると言えます。

 

キヨちゃんは、ゴルフ、ボクシング、盆栽と多趣味で、これらのコミュニティにも属しています。しかし、彼は「カタモミ女子というコミュニティ」に、最も生き甲斐を感じた。ただ、それだけです。

 

東野氏のように「芸能界」というコミュニティに生き甲斐を感じる人もいれば「家族」というコミュニティに生き甲斐を感じる人もいる。ここに優劣はありません。

 

大切なことは「感情の高揚」を指針に、コミュニティを選ぶことだけなのです。

世間体に囚われず、自分の価値観で生きることの大切さ

人生を楽しむ方法

 

彼らを見てニヤニヤする行為は「脊髄反射的」なレッテル貼りです。ちなみに、人間が反射的にレッテルを貼る場合、ほとんどが「世間が作った評価基準(世間体)」に囚われている時です。

 

私も社会の一員として、アイドルオタクに対する世間の空気は理解しているつもりです。ただ、私は世間体による「脊髄反射」で、物事を見ないように心がけています。

 

なぜなら、世間体に囚われるほど、自分の人生が自分のものではなくなるからです。

 

また、世間の評価基準(物事に対する意味づけ)は、時代や場所が変われば、いくらでも変わる虚ろなもの。戦時になれば殺人は勲章になり、国が変われば自殺(安楽死)が合法になる様にです。

 

私の祖父母世代は「吉本興業=ヤクザ」という認識を持っていました。自分の子や孫が芸人になるなんて絶対許さない空気がありました。しかし現在は、吉本興業は社会的地位のある企業であり、芸人は好感の対象とされています。つまりは、そういうことです。

 

以上から、根無し草のような世間体に囚われることは無意味だということ。自分の価値観を優先することが、自分の人生を豊かにするコツです。

 

そういう意味において、キヨちゃんの生き方は正しいと言えます。虚ろな世間の「意味づけ」に帳尻を合わせ、自分の価値観に逆らって生きることは後悔のもとです。

自分に限界を感じたら、他者の夢のサポートに回る賢さ

アイドルオタクの心理

 

人間は歳を重ねると、自分の将来に限界を感じます。そして、そうした人間は、自分より可能性を秘めた「他者」に夢を託す選択をします。これは命をつないでいく動物が備えている「自然の摂理」とも言えます。

 

事実、自分が達成できなかった夢を「わが子」に託すというのは良くある話。アスリートの世界でも、監督やコーチが実現できなかったことを、教え子に託すことは日常的です。

 

つまり、キヨちゃんがカタモミ女子のサポートに夢中になるのは、特別異様な行為ではなく、歳を重ねた人間の「王道的な生き方」と言えるのです。

 

東野氏のように、自身が第一線に立ち、夢を達成できる人は少数。大半の人は夢に破れ、挫折し、自分に限界を感じ、他者に夢を託すものです。

 

私は、自分の現実を素直に受け入れ、他者の応援に回れる人は素晴らしいとすら思います。自分の夢に諦めがつかない、潔さがない、そんな私が持ち得ない「器」が、彼らにはあると思うからです。

 

また、他人の夢を自分の夢のように素直に応援できる態度は、一度の人生で「二人分の人生」を楽しめることと同じです。そのように捉えれば、キヨちゃんの生き方は賢明であり、お得だと言えます。

 

自分が輝ける場所も、しっかり確保しているしたたかさ

オタ芸

 

アイドルのファン達が賢いと思うことは、自分自身がアイドルよりも「主役でいられる環境」を、したたかに用意している点にあります。

 

例えば「オタ芸」と言われる応援がそうです。まさにオタ芸は「表現活動」であり、どちらが舞台で、どちらが客席かが分からなくなるほど、彼らはアイドルに負けないパフォーマンスを披露します。

 

※実際、私は番組中、アイドルのパフォーマンスより、彼らの応援に釘付けになりました。

 

特に、ファンが少ない地下アイドルのライブにおいては、彼らの応援は会場でより大きな存在感を放ちます。

 

つまり、彼らは他者の夢をサポートする脇役でありながらも、実は、自分が主役として活躍できる場も、したたかに作っているのです。

 

また、カタモミ女子のファンにおいては、自分が推しているアイドルに肩もみをしてもらうサービスも楽しめます。彼らはアイドルたちに奉仕される「主役」の気分も味わえるわけです。

 

当然、そのサービスを受けるにはお金が必要ですが「アイドルに対する支援金」だと考えれば、サポーターとして貢献できたという充実感もあるでしょう。

 

以上から、彼らは非常にうまく人生を楽しんでいると言えます。

死ぬまで異性を活力に生きることの大切さ

肩もみ女子とキヨちゃん

 

男性にとって「異性の存在」とは、生きるための活力です。

 

「英雄色を好む」という言葉があるように、男性が何かを成し遂げるうえで、女性をモチベーションにすることは多いもの。

 

もちろん「アイドルとファンは恋愛できない」と揶揄する人もいるでしょう。しかし、ゼロではありません。実際、アイドルとファンが付き合う事例はあります。

 

そんな“ほぼあり得ないこと”に望みを賭けるのはバカらしい思うかも知れません。しかし、絶望的に叶わないことでも、本人が希望を持ち、それによって人生のパフォーマンスが向上するなら、良いのではないでしょうか?

 

例えば、芸人を目指す若者たちも、心の中には「売れてアイドルや女優と付き合う」といったモチベーションがあるはず。個人差はあるものの、行動モチベーションとして必ずあるはずです。

 

しかし、芸人として売れるのも“絶望的に低い確率”であり、売れたとしてもアイドルと付き合える保証もありません。キヨちゃんとカタモミ女子が付き合う確率と大差はないのです。

 

そもそも、自分が理想とする女性をモノにできる男性は、この世にほとんどいない訳ですから、アイドルとの恋をモチベーションに、自分が活動的になれるなら良いのです。

 

さらに、アイドルたちは年齢や容姿関係なく優しく接してくれます。

 

本来、50代になれば女性との縁は減っていくもの。そういう意味からも、地下アイドルを応援することは、男がいつまでも男でいられる、有意意義なコミュニティだと言えます。

 

まとめ

世間体という色メガネを取りアイドルファンを見つめてみると、彼らは、多くの人間が人生を充実させるために行う「王道的な行動様式」を取っているだけで、何ら異様なことではないのが分かります。

 

東野氏とキヨちゃんが違う点は、属しているコミュニティが違うこと。コミュニティのリーダーでいるか、フォロワーになるかの違いだけではないでしょうか?

 

人は環境で変わるというように、属するコミュニティによって人生の充実度は変わります。

 

つまり、自分がポジティブな感情になれ、パフォーマンスが高まるコミュニティに飛び込むことが、人生を謳歌するための絶対法則だということ。そして、アイドルファンになるというのは、とても素敵なコミュニティに関われることなのだと、今回の番組で学びました。

 

最後に、今回の記事を書く動機を与えてくださった東野幸治さん、カタモミ女子と関係者のみなさん、そしてキヨちゃんとファンのみなさんに感謝し終わります。

 

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