感動とは、人間の心理を「一定の法則」で刺激することで発生する「科学」にすぎません。つまり、この科学を用いれば、感動する話はいくらでも量産できます。

 

実際、ハリウッド映画も、この科学を活用して感動話を作っています。例えば「ハリウッド式3幕構成」が有名ですが、これも人を感動させる科学です。

 

第1幕:物語の状況を伝える(コミットメント)
第2幕:問題が発生。主人公の葛藤(痛みの共感)
第3幕:問題を乗り越えてハッピーエンド(感動する話)

 

感動する話でほっこりするのは楽しいものですが、私たちは意図的に感動させられているケースもあるということ。

 

特に、映画は「プロパガンダ(思想扇動)」に利用されてきた歴史があります。だからこそ、私たちは、いかに感動する話が作られているのか知っておくべきです。

 

そこで、今から「ニセモノの感動話を量産する7つの技術」をご紹介しましょう。

 

解決が絶望的に難しい「問題」を設定する

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ここが、感動する話(泣かせる話)を作るためのコアになります。

 

人間は、自分では解決できない問題に直面したとき「泣く」というメカニズムを備えています。これは、赤ちゃんや子供に顕著に現れますが、人間の本能的な行動です。

 

つまり「解決が絶望的に難しい問題」の設定が、泣かせる話を作る条件です。物語で「人の死」が良く描かれるのも、解決が絶望的な問題として好都合だからです。

 

しかし「人の死」ばかりでは芸がありません。そこで、人の死以外で絶望的な問題を設定するために有効なのが「落差」をつける方法です。日常から問題発生までの触れ幅を大きくするのです。

 

例えば、主人公が「希望」に満ちているほど、問題が発生したときに落差がつきます。「愛する人と結婚する希望」から「愛する人と結婚できない問題」が発生するなどがそうです。

主人公の「好感度」が上がる物語にする

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主人公が、いくら絶望的な問題に直面しても、主人公に好感度がない場合、人は感情移入できません。つまり、感動する話として成立しません。

 

例えば、いじわるで憎たらしい「嫌われ者」が問題に直面したところで、同情するどころか、心地良さすら感じてしまうのが人間の心理です。

 

つまり「いかに好感度の高い主人公を描くことができるか?」これが、相手が感動する話を作るうえで欠かせないポイントになります。

 

問題が発生する前の「第1幕(状況設定)」より、主人公の好感度を上げるための描写を心がけましょう。それ以降も、主人公の好感度が積みあがっていくストーリー構成が理想です。

感動させたいターゲットを絞り「共感度」を上げる

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感動する話には、主人公に対する「好感度」に加えて、主人公に対する「共感度」も重要です。

 

共感度を高める技術としては「感動させたいターゲット層」を絞り、ターゲットの経験と重なるストーリーを設定することです。それによって深い感情移入を誘うことができます。

 

また「特定の心理状況」に絞るのも有効です。例えば、卒業シーズンであれば「別れ」をテーマにしたストーリー設定をするなどです。

 

感情移入とは「好感度×共感度」と言っても過言ではありません。この数値が高くなるほど、お涙ちょうだいの感動話を作ることができます。

感動を煽るために、主人公の感情を剥き出しにする

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人間の脳には「ミラーニューロン」という共感細胞が存在します。他人の行動なのに、自分のことのように反応してしまう心理があるのです。

 

このミラーニューロンを刺激する技術が、主人公の感情表現を大きくする方法です。

 

主人公の表情や声を駆使し、オーバーに見せるのです。これは、漫画「ワーンピース」でも頻繁に見られる技術です。

 

ただし、ストーリーに釣りあわない感情表現は「非共感」の原因となり逆効果です。主人公が直面する「問題の深刻度」に合った演出に留めましょう。

 

最後に、今までのテクニックを使って、前述の「ハリウッド式3幕構成」を組み立てていくコツを紹介しておきます。

 

 

第1幕:日常生活を描き、物語の基本設定をしっかり伝える

まずは第1幕です。ここでは「物語の基本設定」をしっかり伝えることに注力します。状況が伝わらなければ感動するどころか、物語に入っていくことができないからです。

 

第1幕は、問題発生へと向かう「前フリ」です。相手に状況をしっかり理解させ、さらに予想を裏切るような問題を起こすことで、インパクトのある「オチ」ができます。

 

これによって、第2幕へと興味をつなげていきます。

第2幕:絶望的な問題発生。主人公が苦しみ葛藤する

第2幕の「解決が絶望的に難しい問題」がはじまります。主人公の苦しみや葛藤を、感情をむきだしに表現しましょう。相手のミラーニューロンを発動させるのです。

 

加えて、前述した「主人公の好感度と共感度」を高めることにも意識を注ぎましょう。ここが疎かになると、主人公の苦悩や葛藤、感情表現は空回りします。

 

解決不可能な問題・主人公への好感度と共感度・むきだしの感情表現を両立させ、人々の感情移入を誘いましょう。

第3幕:人間が大好きな「3つの要素」を使い問題解決する

人生の苦難を懸命に乗り越えようとする人間模様に、人は感動を覚えます。

 

人生にふりかかる問題の解決に欠かせない要素は、大きく分けて3つ。この3つの要素をドラマティックに演出することで、感動する話ができあがります。

「情熱や熱意」で問題を解決する

主人公が問題に対して「情熱(熱意)」によって解決しようとする姿です。

 

人は、苦難から逃げずに立ち向かい、問題を解決していく勇姿に感動します。主人公の情熱や熱意は、感動する話に良く使われる要素です。

「人間関係」によって問題を解決する

人間は一人で生きられません。そのため、他者とつがなりたいという感情が強い生き物。また、他者に良好な関係を築くことは、人生において大きな目的でもあります。

 

そのため、私たちは、人々が団結して何かを達成するストーリーに感動します。震災復興の物語などが分かりやすい例でしょう。

 

発生した問題に向かって、共に情熱を持って一丸となって解決しようとする姿。または、他人のために無償で奉仕する人間愛。これらも、感動する話に良く使われる要素です。

「知恵」によって問題を解決する

人間は、考える力に秀でた生き物。私たちは人生にふりかかってくる数々の問題を解決するために、学ぶことをやめません。知恵は、人間が生きるための武器だからです。

 

だからこそ、解決できない難しい問題を、知恵を絞り、試行錯誤を繰り返して解決する姿に、人々は感動します。発明家や開発者の物語に、私たちが感動するのはこれが理由です。

まとめ

感動する話を作るために必要な要素は全てお話しました。

 

あとは、これらの要素をいかに「配列」していくかがキーポイントです。当然、むやみやたらに要素を詰め込んでも、感動する話はできあがりません。

 

人々に「主人公のあのセリフが感動した」「あのシーンが感動的だった」と思わせるために、あなたの客観性をもとに、絶妙に配置していきましょう。

 

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